輸入時のデバンニングと輸出時のバンニングとは?倉庫作業の流れを一括解説!
輸入時のデバンニング作業は複数の工程があり、関係者の高い連携と正確な作業が求められます。貨物を安全かつ効率的にコンテナから取り出すには、段取り・確認・荷役など一つひとつの動作が非常に重要です。一方で、輸出時のバンニング作業では、時間管理と現場での協力体制がカギとなり、貨物をスムーズに船積みし、目的地まで確実に届けることが可能になります。
どちらも、貨物の仕分け・積載という共通のプロセスを経て、国際輸送の出発点または到着点として重要な役割を果たしています。この記事では、デバンニングとバンニングの具体的な流れや注意点をわかりやすくご紹介します。
1. デバンニング(輸入)とバンニング(輸出)とは?倉庫作業の基本を理解しよう
(1) 輸入デバンニングの概要
海上輸入における「コンテナ開梱(デバンニング)」とは、コンテナに積載された貨物を目的地に輸送した後、現地の税関の監督下で荷下ろしおよび仕分けを行うプロセスを指します。
具体的には、貨物が海上輸送によって指定された港に到着した後、ターミナルまたはコンテナヤードにてコンテナから取り出す作業が必要です。
(2) 輸出バンニングの概要
海上輸送における輸出バンニング(Vanning/バン)は、輸出貨物を税関管理下の港またはコンテナヤードに搬入し、コンテナへ積み込み・封緘(シール)する作業です。
バンニングは、貨物を安全かつ効率的に目的地まで届けるための重要な工程であり、荷物の移動・固定・積載計画など複数の作業を伴います。
2. 輸入デバンニングの流れ:高度な連携と正確な作業がカギ
(1) コンテナ船の到着
コンテナ船が輸入港(目的港)に到着すると、港湾の荷役会社によってコンテナが船から降ろされ、輸入貨物の一時保管エリアへと運ばれます。
(2) 指定倉庫でのデバンニング作業
コンテナは、港またはコンテナヤードのデバンニングエリアへ搬送され、税関の監視下で荷下ろし作業が行われます。
作業員はフォークリフト(フォーク)を使用してコンテナ内から貨物を取り出し、インボイスや積荷リスト(マニフェスト)と照合しながら数量を確認します。その後、貨物は輸入倉庫に一時保管され、輸入者による通関手続きが完了するまで保管されます。
デバンニング中に、貨物の破損や積荷リストとの不一致などが確認された場合、港やコンテナヤードから速やかに輸入者または税関当局に報告されます。
(3) 輸入者による貨物の引き取り
輸入者(荷受人)は、輸入通関手続きを完了し、必要な税金や手数料を支払った後、貨物の引き取りを手配することができます。通常は、トラックを手配して、指定された保管場所(倉庫またはヤード)から貨物を引き取ります。
3. 輸出バンニングの流れ:正確なタイムマネジメントと連携がカギ
(1) 港またはコンテナヤードでのバンニング作業
荷主自身がバンニングを行えない場合や、貨物の量がコンテナ1本を満たさない場合は、
貨物を税関の監督下にある港湾施設やコンテナヤードに搬入し、現地スタッフによりバンニング(積み込み)作業が行われます。このようなケースでは、港やCY(コンテナヤード)側がバンニングサービスを提供し、輸送に適した積み方・固定方法に従ってコンテナに貨物を積載します。
(2) 輸出通関および税関の許可(シッピング・リリース)
港湾施設やコンテナヤードでは、貨物のバンニング作業を行う前に、荷主が輸出通関を完了しているか、また税関から輸出許可(通関許可)が出ているかどうかを確認します。税関による輸出許可(リリース)が確認された後に初めて、コンテナへの積み込み作業(バンニング)が実施されます。
(3) 貨物の形状・重量に応じたバンニング作業
港湾やコンテナヤードの作業員は、船会社・フォワーダー・荷主が提出した「バンニングプラン(Stuffing Plan)」に基づいて、貨物をコンテナに積み込みます。また、貨物のサイズや重量に応じて積載順序を調整することで、効率的かつ安全なバンニングを行います。例えば、重量物や大きな貨物は先に積載し、荷崩れや貨物の破損、船会社の重量制限超過などが発生しないように配慮されます。
(4) 貨物の固定と封緘(シール)の確認
港やコンテナヤードの作業員は、重量物や大型貨物を積載する際、木材(木枠や木板)などを使用して貨物をしっかり固定する必要があります。これは、輸送中の揺れによる貨物の移動や、他の貨物への圧迫による損傷を防ぐための重要な作業です。すべての貨物が正しく積載され、内容や配置に問題がないことを最終確認した後、船会社が指定するコンテナシール(封印)を取り付けて封緘作業を完了させます。
(5) 輸出保管エリアへの搬送と船積みの手配
港やコンテナヤードでは、貨物の積み込みと封緘が完了したコンテナを輸出保管エリアへ搬送します。
その後、コンテナ船が寄港するタイミングに合わせて、該当コンテナは船積み(ローディング)され、目的港へと出発します。
掲載日: 2025 年 02 月 05 日